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竹は焚火の薪に向いていない理由

枝拾いから焚火、自称薪修行をしているので、たくさん生えてる竹も燃料にできないかは考えたことがある。

しかし、いろいろ調べた結果、竹は焚火の燃料には向いていない。

低温燃焼によるダイオキシン

子供の頃に話題になり、個人の焼却炉や野焼きが禁止された世代であるので、猛毒であるダイオキシンは知っていた。

しかし、プラスチックなどの人工物を燃やすのが原因だと思っていた。プラスチックが溶けたり燃えるとすごい臭いなので体感としてもわかりやすい。

でも、竹のような自然物でも、低温で燃やすとダイオキシンが発生することは知らなかった。

これは、バイオマス発電で竹を利用しようとした際の問題として知られている。

竹がバイオマス燃料に不向きな理由と近年の研究成果

Gemini先生(2.5 PRO)にも聞いたところ下記の回答が得られた

竹を低温で燃やすとダイオキシンが発生する主な原因は、竹に含まれる塩素と有機物が不完全燃焼することにあります。 ダイオキシンは、炭素、水素、酸素、そして塩素が特定の条件下で化学反応を起こすことによって生成される物質です。竹には、成長過程で土壌や水から吸収した微量の塩素分が含まれています。 低温(一般的に200~400℃程度)で竹を燃やすと、完全には燃えきらずに「不完全燃焼」という状態になります。この不完全燃焼の過程で、竹に含まれる有機物(炭素や水素など)と塩素が反応し、ダイオキシン類が生成されてしまうのです。

また木材との塩素含有量の比較も聞いたところ下記の表が得られた。

塩素含有量 (乾燥重量あたり)
0.1~0.5% (1,000~5,000 ppm)
一般的な木材0.05%未満 (< 500 ppm)
(参考) 木質ペレットの規格0.03%以下 (300 ppm以下)

木材といっても種類が多く、表記も「未満」なのでこの表だけでは、厳密にはわからないが、少なく見積もっても竹は木材の2から10倍の塩素を含んでいるらしい。

焚火では常に高温で燃やすことは難しい。

健康や環境を犠牲にしてまでやることではないだろう。

焚火台への悪影響

また塩素は燃焼時に塩化水素ガスとなり金属を腐食させる。

これはボイラーで問題になっているが、焚き火台でも同じだろう。

またカリウムが多いので、クリンカという灰の塊、溶岩のようなものができてこびり付いてしまう。

これは手入れの際に汚れを落としにくいだけでなく、サビの原因にもなりそうだ。

竹炭

もちろん、高温で炭化させた竹炭は塩素がなくなっているはずなので燃料として問題ないはず。

カリウム分に関しては残ってそうだけど、他の成分がなくなっているので、クリンカにならずに灰になるんだろうか。

また竹炭にする手間とエネルギーがかかるので枝のようにほぼ0円では手に入らない。

それでも竹で焚火するには

竹炭のようにエネルギーを極力使わずに竹を薪にする方法はないだろうか。

2017年の記事だが、同じくバイオマス発電に竹をなんとかして使おうとした日立製作所の技術も見つかった。

燃やしにくかった竹を改質してバイオマス燃料に、日立が開発した技術を発表

問題となるカリウムと塩素を、粉砕と水に漬けることで取り除けるとのこと。

さらに漬けた水は肥料にもなる一石二鳥の技術だ。

少し手間がかかりすぎな気もするが・・・。

趣味の焚き火に応用するとしたら、粉砕は難しいので、なるべく細く切り、水やお湯に長時間漬けてから乾燥させることだろうか。

あれ?それってもしかして、竹の割箸?

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